死蜂
しかし、それもここまで。

林に響き渡る絶叫。

恭平の足元に、滑るように転がってくる猟銃。

思わず立ち止まって振り向く。

…見てしまった以上、トラウマは確実だった。

こんな光景、まともな人間が見たら精神に異常を来たす。

これを狂気と呼ばずに何と呼ぶのか。

恭平が想像しうる限りの想像を全て凌駕する、地獄絵図。

…人間が…先程まで友人だった者達が、現地人の男性を地面に押し倒して、その肉を食らう光景…。

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