死蜂
やがて、男性の体がビクン、ビクンと大きく痙攣し始める。

カッと見開かれる白濁の眼。

仰け反るように起き上がる上体。

一緒だ、何もかも。

「っ…!」

咄嗟に足元の猟銃を拾い上げる恭平。

弾薬が残っているのか、そもそも上手く扱えるのか。

銃など撃った事がないが、そんな事は言っていられなかった。

冗談じゃない。

死ぬなんて御免だ。

俺も。

「いくぞ!」

美晴ちゃんも。

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