死蜂
何とか林を抜け、別荘の灯りが見えてきた。

やっと辿り着いた人工の光に少しばかり安心する。

が、事態は何も改善されていない。

もうまともな人間は恭平達しかいないかもしれない。

あの蜂…死蜂は、まだ相当な数がいた。

明らかにこの島の人間よりも数が多い。

つまりこの島の人間を全員化け物にして、尚余りあるという事だ。

今、死体と化した連中を始末すればそれで済むという問題ではなかった。

< 59 / 71 >

この作品をシェア

pagetop