スイートスキャンダル
「そういう問題じゃっ……!」


「ごめん、もうすぐお義母さんが来るから切るね!お土産話、楽しみにしてるから!」


あたしの言葉を遮った有紀は、最後までマイペースを貫いたまま電話を切った。


「ちょっ……!」


そのあまりにも自由過ぎる態度に、今度こそ言葉を失ってしまう。


有紀とは長年付き合っているけど、こんな事は今までに一度も無かった。


「……嘘でしょ」


ようやく口にした言葉の後、深いため息をついた。


有紀以外の人と二人きりで旅行するくらいなら、一人の方がまだラクよ……


とりあえず相手が来たら謝って、せめてあたしだけでも帰ろうと決めた――…。


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