スイートスキャンダル
「じゃあ、撮りますね」


柊君は慣れた手付きでデジカメを操作し、写真を何枚か撮ってあげていた。


「ありがとう。じゃあ、今度はおばさんが撮ってあげるわ」


「いえ、あたし達は……」


「いいじゃないですか、遥さん。せっかくですから、一緒に撮って貰いましょうよ。ね?」


相手の気を悪くしないように言葉を選んで断ろうとすると、柊君がそれをやんわりと制するように微笑んだ。


「フフッ!彼女、照れ屋さんなのかしら?あなたの方が素直ね」


彼は女性と軽く談笑をした後で、自分のスマホをポケットから取り出して操作方法を教えていた。


そんな光景を見て、一緒に写真を撮って貰うしか無いのだと悟った。


< 100 / 200 >

この作品をシェア

pagetop