スイートスキャンダル
「じゃあ、撮るわよ。あっ、もう少しくっ付いて」


女性の指示通り、柊君はあたしの肩を引き寄せた。


「ちょっ……!」


さすがにそこまでする必要は無いと訴えようとしたけど、それよりも早くシャッター音が鳴った。


「あら、ちょっとブレたみたい。もう一回撮るわね」


女性の言葉に頷いた柊君が、あたしの肩を益々強く抱き寄せる。


「何してっ……!」


「遥さん、笑って下さい」


「そう言うなら、手を離して」


「それは無理です」


「どうしてよ……」


「さぁ、どうしてでしょう?」


スマホのレンズを見ながら囁き合うように話していると、何度か続けてシャッター音が鳴った。


< 101 / 200 >

この作品をシェア

pagetop