スイートスキャンダル

★寂しさが込み上げて来ます。

―――――――…



展望台を後にして、さっきのお土産屋さんの辺りでタクシーを拾った。


「ちょっとゆっくりし過ぎましたね」


「間に合うかな?」


「大丈夫ですよ。この時間なら、渋滞もしてないと思いますし」


柊君の言葉通り、タクシーに乗ってから駅までの間で渋滞に巻き込まれる事も無く、新幹線の時間にも余裕で間に合った。


「昼ご飯、どうしますか?」


「売店で駅弁でも買っておく?」


「そうですね。あっ、遥さんはビールもでしょ?」


ニッと笑った柊君に、眉を小さく寄せる。


「その顔、何かムカつくんだけど……」


不満を込めて呟くと、彼はクスクスと笑っていた。


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