スイートスキャンダル
新幹線が少しずつ速度を落とし始め、アナウンスがもうすぐあたしが降りる駅に到着する事を告げる。
「……着きましたね」
「そうね……」
ほんの少しだけ寂しげに微笑んだ柊君に頷いて立ち上がると、彼は荷物棚からボストンバッグを下ろしてくれた。
「持てますか?」
「うん、ありがとう」
「いえ」
胸の奥から沸々と込み上げて来る寂しさに気付かない振りをして、満面の笑みで柊君を見上げる。
「じゃあ……」
「そこまで見送ります」
「いいわよ、別に。すぐそこなんだし」
「いえ、俺が見送りたいんです」
相変わらず可愛くないあたしに、柊君は柔らかい笑みを向けてくれた。
「……着きましたね」
「そうね……」
ほんの少しだけ寂しげに微笑んだ柊君に頷いて立ち上がると、彼は荷物棚からボストンバッグを下ろしてくれた。
「持てますか?」
「うん、ありがとう」
「いえ」
胸の奥から沸々と込み上げて来る寂しさに気付かない振りをして、満面の笑みで柊君を見上げる。
「じゃあ……」
「そこまで見送ります」
「いいわよ、別に。すぐそこなんだし」
「いえ、俺が見送りたいんです」
相変わらず可愛くないあたしに、柊君は柔らかい笑みを向けてくれた。