スイートスキャンダル
少しだけ垂れた黒目がちの瞳に、スッと通った鼻筋。


薄めの唇の先にある、綺麗な顎のライン。


毛先を遊ばせたダークブラウンの髪は、彼が浮かべた笑みのように柔らかそう。


「……えっと、瀬波遥さんですよね?」


呆然としていたあたしは、慌てて首を縦に振る。


「あ、良かった。この人混みだし、会えなかったらどうしようかと思ってたんです」


フワリと微笑んだ顔は、話題のイケメン俳優顔負けのカッコ良さで、益々絶句してしまう。


「そういえば、会うのって3年振りですよね?」


「え……?」


まだ状況を把握出来ないままキョトンとすると、彼がどこか寂しげに微苦笑を零した。


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