スイートスキャンダル
結局は今日も残業をするはめになって、就業時間が過ぎたフロアで黙々と仕事を熟した。


残業ばかりの日々を過ごす自分に不甲斐無さを感じる反面、休み明けからは誰もいない家に帰る事に気が重くなっていたから、正直ほんの少しだけホッとしていたりもする。


寂しいなんて、ここ数年は滅多に感じなかった。


それなのに…


柊君と過ごした日々があまりにも心に残っていて、つい彼と過ごした三日間に戻りたくなってしまう。


「バカね……」


残っている社員達には聞こえないように呟き、再びキーボードを叩き始める。


夜のオフィスにいるとしんみりとして、ついため息が増えてしまうけど…


それでも、一人で家にいるよりはずっとマシだった。


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