スイートスキャンダル
数年前からずっと手抜きだったメイクを、夏休み明けからきっちりとするようになった。
それを久しぶりに会った榊原君に見抜かれて、何だか居た堪れなくなった。
「男でも出来たか?」
「そんなんじゃないわよ!」
「そんなにムキにならなくてもいいだろ。変わらないな、昔から」
「からかわないでよ」
クックッと笑う榊原君の横顔を、眉を寄せて見上げた。
「何なら誰か紹介してやろうか?」
彼は同期や同級生の前ではこんな話だってするくせに、他の社員達の前では無駄にクールだったりする。
総務部の社員達から密かに“オフィスの王様”なんて呼ばれている事を、きっと本人は知らないのだろうと思った。
それを久しぶりに会った榊原君に見抜かれて、何だか居た堪れなくなった。
「男でも出来たか?」
「そんなんじゃないわよ!」
「そんなにムキにならなくてもいいだろ。変わらないな、昔から」
「からかわないでよ」
クックッと笑う榊原君の横顔を、眉を寄せて見上げた。
「何なら誰か紹介してやろうか?」
彼は同期や同級生の前ではこんな話だってするくせに、他の社員達の前では無駄にクールだったりする。
総務部の社員達から密かに“オフィスの王様”なんて呼ばれている事を、きっと本人は知らないのだろうと思った。