スイートスキャンダル
「いい事教えてあげよっか?」


弾んだ声で切り出した有紀は、続けて突拍子も無い事を口にした。


「あの旅行はね、柊にせがまれて企画したのよ」


「…………は?」


数秒間たっぷりと沈黙した後で、マヌケな声が漏れた。


「あの時、あたしは旦那と沖縄にいたの!しかも旦那の休みが纏めて取れたお陰で、5日間も沖縄に滞在出来たのよ!」


有紀の言いたい事がわからなくて、頭の中ではたくさんの疑問符が飛び交っている。


「あ、これお土産ね」


紙袋をグイッと胸元に押し付けられて、呆然としながらもようやく口を開く。


「ちょっと待って。話が見えないんだけど……」


すると、有紀がニッコリと笑みを浮かべた。


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