スイートスキャンダル
「仕事に集中出来ない遥に、特効薬をあげるわ」


「もう!さっきから訳のわからない事ばっかり言ってないで、この間の事をちゃんと説明してよ!」


冗談とも本気とも付かない笑顔の有紀にため息をつくと、彼女は清々しい程に悪戯な笑みを浮かべた。


「それは、柊から聞けばいいでしょ」


思わず柊君を見上げると、彼はどこか気まずそうに眉をしかめていた。


「そうそう、遥!次に会う時には、“お姉さん”って呼んでくれてもいいわよ!」


「へ?何で……」


唐突過ぎるその言葉がさっきの“特効薬”の話の続きで、更にそれがどういう意味を指しているのかを理解した途端、顔が真っ赤になるのがわかって言葉に詰まった。


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