スイートスキャンダル
柊君が作ってくれたフレンチトーストは、カフェで出される物に負けないくらい美味しかったけど…


あたしは半分も食べられずに、ほとんど残してしまった。


「ごめんね……。本当に美味しかったんだけど、ちょっと胃の調子が悪いみたいで……」


「気にする事ないよ。だから、そんな顔しないで」


申し訳なく思いながら柊君を見上げると、彼は優しく微笑んであたしの頭を撫でた。


「仕事と結婚式の準備で疲れてるんじゃない?」


「うん……」


昨日は何とも無かったのに、今日は胃がムカムカする。


「今日は早く帰れそう?俺はたぶん定時に帰れるから、今夜はゆっくりしよう?」


小さく頷くと、柊君がフワリと笑った。


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