スイートスキャンダル
当初は、入籍と結婚式を同時期にするはずだったけど…


新年度からの3ヶ月はどうしても仕事が忙しいあたしのワガママで、何とか夏頃まで待って貰える事になった。


その代わり、結婚を楽しみにしているあたしの両親と柊君から、『先に籍だけは入れておく』という条件を付けられたのだけど…。


「瀬波……じゃなくて、秋島」


「榊原君」


「やっぱり慣れないな……。気をつけていても、つい旧姓で呼んでしまう」


真剣な顔で悩む榊原君が可笑しくて、クスクスと笑いが零れる。


「瀬波のままでいいわよ。皆にもそうして貰ってるし、あたしもまだ慣れてないから」


苦笑しながら告げると、彼はほんの微かに笑みを浮かべながら頷いた。


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