スイートスキャンダル
今日こそは定時に終わらせたかった仕事は、やっぱり山のように残ってしまった。


朝から気分が優れないままだったから、早く帰りたかったけど…


人手不足だから頼れる同僚もいなくて、仕方なく残業をする事にした。


だけど…


「ダメだわ……」


気分が優れないせいで頭がちっとも働かなくて、まだ大量の仕事を残したまま諦めた。


残っている同僚に声を掛け、重い体を引きずるようにしてフロアを後にする。


静かなエレベーターの中で時間を確認すると、22時を過ぎていた。


柊君、心配してるかな……


今朝の柊君の表情を思い出しながら、オフィスを出た。


その瞬間…


見覚えのある黒いセダンが、視界に入って来た。


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