スイートスキャンダル
有紀の奴っ……!


あたしが電話するのわかってて、わざと電源切ったわね!?


不満が怒りに変わりそうなのを何とか堪え、これからどうするのが最善なのかを必死に考える。


とにかく、何としてでも断らなきゃ……


「柊君!」


「あ、おかえりなさい」


瞳を柔らかく緩めた柊君に釣られて、思わず強張っている表情が緩みそうになる。


心無しか周囲の人達も彼に見入っている気がしたけど、ハッとして首をブンブンと振った。


「あのね、柊君……」


「どうぞ」


「えっ!?ちょっ……!」


あたしの言葉を華麗な笑みで遮った柊君は、戸惑うあたしを窓側の席に押し込んだ。


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