スイートスキャンダル
「正直に言うとね、遥と柊が上手くいかなかったらどうしようって、ずっと思ってたのよ……」


「え?」


「だって、ほら……遥って、付き合ってもない男と旅行は疎(オロ)か、二人きりで夜を明かすようなタイプじゃないでしょ?さすがに強引過ぎたかな〜って、あの時は結構反省してたのよ」


「そうね。確かに、あの時は文句の一つでも言ってやろうと思ってたわ」


「あ、やっぱり?遥にとっては、スキャンダル同然だったもんね」


皮肉を込めた笑みを見せたあたしに、有紀が悪戯な笑顔を返した。


「スキャンダル?」


「だって、そうでしょ?」


有紀はバツが悪そうに苦笑を浮かべ、鏡の前にいるあたしの後ろに立った。


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