スイートスキャンダル

★同じ部屋なんて無理です。

―――――――…



「いい部屋ですねぇ」


仲居さんに案内された部屋を見て、柊君が満足げな声を上げてニッコリと微笑んだ。


新幹線を降りた後、温泉街直通のバスを使って旅館に着いたのは、ついさっきの事。


「それではごゆっくり」


一通りの説明を終えた仲居さんが出て行くと、あたしは部屋に付いている温泉を見ていた柊君を睨んだ。


「ちょっと、どうして同じ部屋なのよ?」


「そう言われても、予約したのは有紀なんで」


それは、わかっている。


当初は有紀と二人で来る予定だったのだから、一部屋しか取っていない事も当たり前だと思う。


「安心して下さい、襲ったりなんかしませんから」


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