スイートスキャンダル
「じゃあ、早速入りましょうか」


「そうね」


コクリと頷いた後で、部屋の外に付いている露天風呂に視線を遣った。


入りたい……


せっかく、露天風呂付きの部屋なのに……


でも……


渋々諦めて小さなため息をついたあたしに、柊君が柔らかい笑みを見せた。


「俺は大浴場の方に行って来ますから、遥さんはここをどうぞ」


「え?でも……」


僅かな不安を抱いて躊躇(タメラ)っていると、柊君が小さく笑った。


「別に覗いたりなんかしませんよ」


「そ、そういう意味じゃ……」


「はいはい」


柊君はあたしの気持ちを見透かすように笑って、腕時計に視線を落とした。


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