スイートスキャンダル
「えっと……」


「それって、ただ寝ぼけてるだけですか?それとも、本気で言ってます?」


残念そうに眉を寄せた表情に、思わず顔が引き攣って冷や汗が背中を伝う。


「ぜ、前者です……」


「なら、良かった」


フワリと柔らかい笑みを向けられて、心の中に罪悪感が芽生える。


「すみません……」


「気にしてませんよ。でも、遥さんは前を気にした方が良さそうですね」


「え?」


「胸元が開(ハダ)けてます。それとも、俺に襲われたくて、わざとやってるんですか?」


「ひっ……!」


あたしは慌てて胸元を押さえ、意地悪な笑みを浮かべた端正な顔をキッと睨んだ。


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