スイートスキャンダル
「き、昨日って……」


「あぁ」


あたしの言いたい事を察したのか、柊君が眉を小さく寄せて微苦笑を浮かべた。


「遥さん、二本目の熱燗を飲んでる途中で寝ちゃったんです。起こしても起きないし、仕方ないから仲居さんに片付けて貰った後で布団に移動させて……」


「ちょっと待って!」


「え?」


衝撃的な言葉に思わず声を上げると、柊君がキョトンとした。


「……もしかして、柊君が運んでくれたの?」


「俺以外に運ぶ人がいると思いますか?」


疑問形に疑問形で返されたものの、あたしが投げ掛けた質問に対する答えはハッキリとしていて…


あまりのショックに、言葉を失ってしまった。


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