スイートスキャンダル
「せっかくの夏休みだからこそ、ゆっくりしたかったのよ。それなのに、どうして二回しか会った事がないあなたと、観光なんてしなきゃいけないのよ」


一気に話した後で、良くない言い方だった事に気付いてハッとした。


最初は強引だったとは言え、利害の一致で納得してここにいる事を決めて…


柊君は何だかんだと言いながらもずっと気を遣ってくれて、あたしと仲良くしようとしてくれていた。


だったら、こうして二人で出掛けるのだって彼なりに気を遣ってくれた結果なのかもしれないし、さすがに今の言い方は酷かったと思う。


だけど…


プライドばかり高いあたしは、それをわかっていても謝る事が出来なくて、気まずさが込み上げて来た。


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