スイートスキャンダル
おじさんは一瞬だけキョトンとした後、ゲラゲラと笑い出した。


「そんなに謙遜する事ないじゃないかい!これでも、おじさんはお世辞は言わない主義なんだよ?」


「はい?」


「姉ちゃんは別嬪さんじゃないか!もっと自信を持ちな!なぁ、兄ちゃん?」


「いや、そうじゃなくて……」


「そうですね。こんなに可愛い人は中々いないと思います」


同意を求められた柊君が柔らかい笑みを浮かべたせいで、反論の為に投げようとしていた言葉を飲み込んでしまう。


「おいおい、熱いねぇ!うちの饅頭も、アンタらみたいな美男美女に食べて貰えて幸せだなぁ」


おじさんは、最後まで陽気に笑っていた。


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