スイートスキャンダル
「もういいよ……。その代わり、今度ちゃんと埋め合わせしてよね?」


「もちろんわかってます」


「じゃあ、悪いけどキャンセルしておいてくれる?キャンセル料は今度払うから」


「何言ってるのよ、キャンセルする必要なんてないじゃない。せっかく温泉付きの部屋を格安で予約したんだし、遥(ハルカ)は行って来なよ」


有紀の提案に、再び深いため息をつく。


確かにあたしは独身生活が長いし、次の誕生日でめでたく30代に突入するせいか、神経もそれなりに図太くはなった。


お陰で、映画や食事に行くくらいなら一人でも平気だし、むしろその方がラクだと感じる事も多々ある。


だけど…


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