スイートスキャンダル
布団に肘を付いて手の平で首を支えた柊君は、クスクスと笑っていた。


からかわれているのだと理解しながらも、どこまで本気なのかわからない彼に翻弄されてしまう。


「遥さんが来ないなら、俺から襲いに行きましょうか?」


「バ、バカな事言わないでっ……!そんな事したら、有紀に言い付けるからねっ!!」


「言い付けるって……。小学生ですか」


全力で言い放ったあたしを見て、柊君が喉の奥でクッと笑った。


落ち着け、あたし……


からかわれてるだけなんだから、適当にあしらえばいいのよ……


とにかく冷静になるのよ……


柊君に背中を向け、何度も深呼吸をしながら自分に言い聞かせた。


< 79 / 200 >

この作品をシェア

pagetop