スイートスキャンダル
その後も足湯を楽しみながら、他愛のない話を振って来る柊君に不自然にならないように言葉を返し続けた。


「そろそろ出ましょうか」


気が付けば1時間もいたみたいで、彼がそう切り出した時には温泉に浸かっていた部分が真っ赤になっていた。


「うわっ……!遥さんの足、真っ赤じゃないですか」


「柊君の足だって赤いわよ!」


「いや、俺の方が全然マシですよ。遥さんは肌が白いから、火傷みたいになってません?」


「そう言われてみると……」


妙に納得して柊君を見ると、彼はどこか楽しげな笑みを浮かべている。


気のせいなのかもしれないけど、胸の奥がキュンと締め付けられた気がした。


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