スイートスキャンダル
それから部屋に戻り、チェックアウトの時間に合わせて身支度を整えた。


柊君の態度にはさっきのような不自然さは無くて、尚更あの時の態度が不思議に思えたけど…


油断すると眠ってしまいそうだったあたしは、深く考える余裕も無く何度も欠伸を噛み殺していた。


「遥さん、眠いんですか?」


「うん、昨日は一睡も出来なかったから……」


不意に訊かれて、つい正直に答えてしまった。


「え?」


キョトンとした柊君を見て、すぐにハッとする。


「あ、違うの!休みの間にやらなきゃいけない仕事があって、つい没頭してたら朝になってたのよ!」


彼に何か言われる前に、慌てて言い訳を紡いだ。


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