スイートスキャンダル
「どうりで、二泊三日とは思えないくらい重いはずですね」
「え?」
「バッグを持った時、いくら何でも重いなって思ってたんです」
「あ、ごめん……」
思わず謝ったあたしに、柊君がクスクスと笑う。
「いえ、強引に奪ったのは俺ですから」
「それもそうね」
自分(アタシ)は悪くない事に気付いたけど、一昨日のやり取りを思い出しても不思議と苛立ちは感じなかった。
あの時は、理不尽な態度を取る柊君に少なからず苛立っていたし、帰ったら有紀に文句の一つでも言ってやろうと思っていたのに…
すっかりこの状況に馴染んでしまっている今は、そんな事を考えていた事すら忘れていた。
「え?」
「バッグを持った時、いくら何でも重いなって思ってたんです」
「あ、ごめん……」
思わず謝ったあたしに、柊君がクスクスと笑う。
「いえ、強引に奪ったのは俺ですから」
「それもそうね」
自分(アタシ)は悪くない事に気付いたけど、一昨日のやり取りを思い出しても不思議と苛立ちは感じなかった。
あの時は、理不尽な態度を取る柊君に少なからず苛立っていたし、帰ったら有紀に文句の一つでも言ってやろうと思っていたのに…
すっかりこの状況に馴染んでしまっている今は、そんな事を考えていた事すら忘れていた。