スイートスキャンダル
10分も歩かないうちに着いた展望台は、柊君が聞いていた通り景色が綺麗だった。


真下には温泉街が広がり、その向こうでは碧い海がキラキラと光っている。


「いい景色ね」


「はい」


「何だか絵葉書みたい」


せっかくだから写真を撮ろうとスマホを取り出すと、柊君が笑顔でそれを取り上げた。


「俺が撮ってあげます」


「え?」


「せっかくだから、遥さんも一緒に入ればいいじゃないですか」


「いいわよ、写真なんて……」


「まぁ、そう言わずに」


「嫌よ。一人で撮って貰うなんて、何だか恥ずかしいじゃない」


眉を小さく寄せて、柊君からスマホを取り返した。


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