スイートスキャンダル
「あの、もしよかったら撮りましょうか?」


「「えっ?」」


そんな風に声を掛けられて、あたしと柊君は同時に振り返った。


「せっかくだから、恋人同士で写る方が思い出に残るでしょう?その代わり、私達も撮って貰えないかしら?」


そう言って笑った年配の女性も夫婦で来ているみたいで、傍には旦那さんらしき男性が立っていた。


「えっと……」


柊君とのやり取りを見られていた事や、交換条件のように言われてしまった事から断り難くて、どう答えればいいのか悩んでしまう。


「いいですよ。先にお撮りしますね」


そんなあたしを余所に、彼がニッコリと笑って女性からデジカメを受け取った。


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