大嫌いなアイツ
4
――――…
「――――…っ!」
「かわいい。その顔。」
「ばばばバカっ!」
目の前には、私の足首にキスを落とす吉野の姿。
いやいやいや!
何か、エロい…!
いや、さっきまでもっと…ひぃぃ…っ!
情事を思い出して、身体の熱が上がるのを感じた。
「痕残ってなくて良かった」
「…え?―――あ、この前の熱湯?」
「うん」
あの時、一番に飛んできてくれたのは吉野だった。
もしかして、ずっと心配してくれてたのかな…?
痕が残ったら、って?
何だか嬉しくて、胸がきゅっと締め付けられる感覚がした。