大嫌いなアイツ
 

「…………悪かったよ。もう梨夏には隠し事しないから」

「ほんとに?」

「うん。ほんとに。」

「…………仕方ないから、今回は許してあげる」

「ん。じゃあ、さっさと仕事終わらせて帰ろ?」

「うん!」

「じゃあ、梨夏はレジよろしく。」


いつものように梨夏にレジの片付けを言い渡す。
そして、いつものように出てくる反論。


「え!たまには変わってよ!私外の片付けの方がいい!」

「……………ダメ。」

「何で!」

「何ででも。じゃあ、さっさと片付けろよ」


俺は梨夏の睨む目から逃げるように、外にさっさと出ようとドアを開ける。
その瞬間聞こえてきた梨夏の声。


「吉野のバカっ!」


―――――バカで結構。
嫌いって言われるより、何百倍もマシだ。

 
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