大嫌いなアイツ
◆ゆるゆる番外編パート2。(2013.01追加★)
3
*3・後日談2*
~付き合い始めて半年後の出来事。~
――――…
ある休日のこと。
俺と梨夏はいつものように、俺の家でまったりと過ごしていた。
何をしてるというわけでもないのに、梨夏と二人でいる時間はあっという間に過ぎてしまう。
そろそろ腹減ってきたな…。
「ねぇ、吉野…」
「ん?」
ふいに聞こえてきた梨夏の声に、読んでいた雑誌から顔を上げると、ソファに座っている梨夏と目が合った。
…数秒間の沈黙。
「…………や、何でもないっ」
「は?」
「きっ気にしないで!」
梨夏はこれでもか、というくらい、手を横にブンブンと振る。
いや、そんな風にされたらもっと聞きたくなるし。
「いや、気になるだろ。何」
「何でもないってば!」
「…何でもない、って様子じゃ」
「何でもないっ!!」
梨夏はソファから立ち上がり、俺から逃げるようにキッチンの方に行ってしまう。
梨夏の後ろ姿を見送った後、俺はハァとため息をついた。
…またか。