Heart ✰番外編✰
繋がる。
そして、今に至る。
梓紗は泣いたのか??
少しだけ、瞳が濡れている。
2人の間には気まずい雰囲気が流れる。
しかし、その嫌な沈黙を破いたのは意外にも梓紗だった。
「…………久し振りに喋るね。」
梓紗は、俺を見ずにどこか遠くを見てる。
「どれぐらい…………話さなかったのかな………。」
「もう………1∼2年は経つだろ。」
「そんなに経つのかな??あの頃は、ずっと喋ってたのにな……。」
いつの話をしているのかは分からないかった。
だけど、梓紗の表情を見る限り…………。
「随分、昔のことだな。」
「そうかな、でも。 気付いたら、話すよりも………。」
梓紗は俺を真剣に見つめてきた。
ドキッと胸が高鳴った。
本当に久し振りに梓紗と話した。
だから、梓紗と真正面から話をするのも久しぶりだった。
だけど……………。
そんなことを考えているのは俺だけだった。
「気が付いたら、話すよりも本当に身体を重ねて終わりだったでしょ??」
その瞳は、楽しそうな梓紗なんて微塵も感じさせないほどに『哀しみ』に染まっていた。