Heart ✰番外編✰





そうだ………………。


梓紗は俺の告白には1度も『YES』とは答えたことが無い。


なのに、梓紗がいつもあの小屋に来てくれてたから。


俺は錯覚してしまったんだ……………。


       『梓紗は俺と同じ想いだと』


そんなことは分かっていたはずなのに。


現実を見ようとしないで、


俺は梓紗を何度も傷付けた。


そんな俺を梓紗はどんな瞳で見ていたんだろう。


すると_______。


「あたしはね??その人をずっと見てたんだよ??」


「…………。」


「だけど、その人は本当に優しいから。汚いあたしをね。」


「…………めろっ。」


「あたしが好きなのは!!!!」


「もう何も言うな!!!!」


意識が飛びそうになりそうのを堪えた。


梓紗の口から発せられる『そいつへの想い』が痛々しいほど伝わってくる。


そんなのが俺は聞きたいんじゃない。


俺が聞きたいのは……………。


何を望もうとしてるんだろうか…………。


俺は近くにあった窓ガラスを割った。


拳にガラスが刺さり、鋭い痛みが身体中を駆け巡る。


痛さに冷静さを取り戻す。


そうだ。


俺はもう梓紗と関わらないと言ったじゃないか。



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