雨桜~君に唄ったLoveSong~
入学して一週間がすぎた。
人並みに、友達もできたし楽しかった。
はずなんだけど・・・
何か違和感を感じていた。
「ねっ!!桜夢!!」
まるで、あの時感じた違和感と
同じ気がして怖い。
「ねぇ!!桜夢ってば!!」
「っ!?あ、ごめん、ごめん。」
おっと、いけない。友達と一緒だったんだ。
「大丈夫??ぼーっとしてたけど。」
「うんっ!!大丈夫だよ~。」
「そう?」
そう言うと、乃ノ華ちゃんは話の続きをはなし始めた。
今、私の隣にいるのは小此木 乃ノ華ちゃん。
私より少し背が高くショートヘアーの似合う女の子。
「お~い!桜夢~!小此木~!」
遠くから走りながら名前を呼ぶ春紀。
「あ、犬が来た。w」
「あはは。確かにww」
「犬とは失礼な!」
春紀は怒り口調になりながらも笑ってた。
この一週間春紀は私と一緒にいる。
朝もお昼ご飯の時も。
私は春紀が友達といるのを見たことがなかった。
乃ノ華と別れたあと春紀に聞いてみた。
「春紀ってさ、友達ちゃんといる?」
春紀は一瞬、眉を歪めた。
「は?何言ってんだよ~。お前も知ってんだろ~?小此木とかと
ちゃんとつるんでんじゃん。」
「ちがう。」
「??」
「私絡みじゃなくて。男子とか」
そう言うと春紀はため息を吐く。
「お前は気にしなくていいからさ。お前は余計なこと考えんな」
春紀は笑ってた。
口だけ笑ってた。
目は笑ってなかった。