微糖恋愛
なぜなら、3時間彼のも経たないうちに彼の本当の恋人が彼を迎えに来るのだから。
そう、あたしは決して彼、三枝唯人のいちばんではない。
あたしの存在に名前をつけるとしたら、“浮気相手”って言葉がいちばんしっくりくるんじゃないかな。
ここ最近はもう、“彼のいちばんになりたい”だなんてばかなこと考えなくなった。
二番目だとしても、こうして彼のそばにおいてもらえるだけでもあたしにとっては十分幸せなことだから。
ゆつかは淡々と下着を着けて、洋服に着替えると立ち上がって金に近い色に綺麗に染め上げられた髪を撫でてから、そっと唯人のくちびるにキスを落とした。
「すき、唯人」