微糖恋愛
じゃあそろそろ行くかな。
家に帰って、また制服に着替えて学校に行く用意しないといけないしな。
ゆつかは今日が休日ではないことがうらめしくなった。
もし、今日が休日だとしたら、もっとたくさん彼と一緒にいれたから。
リビングへつながる扉を開けると、ふいに後ろから手首をつかまれた。
反射的に振り返ると、眠たそうに目をこする唯人がいた。
あ、かわいい。
こんな姿でさえいとしいと思ってしまうのは惚れた弱味だろうか。
「ゆつかあ…、もう行くの?」
唯人の声は寝起きだからか、少しだけかすれていた。
ゆつかは小さくうなずく。
「うん。今日学校だから…。唯人も今日大学あるんでしょ、」
由加里さんがあとで迎えに来るんでしょ、そうつけたそうとしたくど、嫉妬していると思われたらいやだからやめた。
まあ実際、彼のいちばんである由加里さんには常に嫉妬しているんだけど。