微糖恋愛



唯人からの着信なんじゃないかって淡い期待を抱いたが、ディスプレイには高校の友達である“蓮華”の名前が映し出されていた。


またばかな期待をしてしまった自分がはずかしい。

ゆつかはため息をついてから、通話ボタンを押した。


「もしもし?朝からなによう、」

「ゆつか、もしかしていま起きたの?」


いま起きたんじゃ悪い?

唯人にどたきゃんされてどうせふて寝してたよ。


唯人にどたきゃんされて卑屈になっているゆつかは最高に不機嫌だった。


「今日ゆつかひまだったらさ、買い物行かない?」

「あー…どうしよっかなあ」


唯人にどたきゃんされて傷心気味なゆつかはいまそんな気分じゃなかった。

断って今日はふて寝していよう。

そう思って口を開こうとしたら、ゆつかよりも先に蓮華が口を開いた。


「いいじゃん、行こうよ!ゆつかどうせ休日にデートする彼氏もいないんでしょ?だったらでかけるしかだよ!」

「えー…」

「決まり!またあとで連絡するねえ~。」


まだゆつかが返事もしないうちに蓮華からの電話は切られてしまった。

ゆつかはケータイを持ったままため息をついた。



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