君の空


いつもの公園とは違い
高い丘の上に2人で座ると
中谷くんは言った。

「佐藤さん、好きな人、
いるの?」

突然の質問に驚いたが
私は首を縦に振った。

「そうなんだ。どんな奴?」

「秘密。」

そう私が答えると
会話は途絶えた。

帰り道、彼は先を歩き
私は彼の後について歩いた。

公園まで来たとき
彼は後を向き

「佐藤さん、おれ…

「あらたー!」

彼が話している途中で
誰かにさえぎられた。

「おぉ!はやとっ!」

[はやと]そう呼ばれる人は
私達の傍まで駆け寄り

「あらた、皆でカラオケ
行くんだけどお前行かね?」
そう彼に訪ねた。

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