君の空
私達はそれからいつもの
公園に向かった。
公園に着くとベンチに腰を
おろし手を繋いだまま目線を
上の方に動かし雲1つない
星の輝く夜空をじっと見た。
「2人で星を見に来たのは
初めてだね。」
私がそう言うと彼は
頷きながら微笑んだような気がした。
「俺さ、昔、ある1人の
女の子と付き合ってたんだ…」
話を続ける彼、でも私は
あまり聞きたくなかった。
「その子もね、空が好きで
いっつも2人で空を見てた。
俺、本気で好きだった。
でもね、俺が転校することになって
彼女は行かないでって
言ってくれて2人でずっと
泣いて、俺は転校したんだ。
最初は連絡とってたんだけど
声聞くだけじゃ、物足りなくて
どうしようもなくて
彼女と別れた。今も後悔してる。
でも中学生の俺にはどうしようも
なかったんだ。
その彼女の名前が…」
なぜかすごく懐かしい話に
聞こえて仕方なかった。
私にも全く同じ経験がある。
「佐藤 夢、おまえだよ。」
彼は優しく笑いそう言った。