君の空
「空は、俺の両親なんだ。」
彼は呟く。
「俺の親は事故で死んだんだ。
死ぬ間際におやじは俺に
お父さん達はお前を
空の上から見守ってる。
空をお父さん達だと思って
生きていけ。って言った
んだ。だから、おやじたち
である空が俺は好き。」
寂しそうに呟く彼を
放っておけず私は彼の手を
いつの間にか握っていた。
「大丈夫。あたしも空…
好きだから。ちゃんと
中谷くんのお父さん達、
見てるから。」
私も泣きながら必死に
手を握った。
「佐藤さん、ありがとう。」
私はこの時、初めて
中谷くんが好きだと思った。