あぁ・・・うちな
1章

思い出


『てめぇ、なめてんな。んな面して良いと思ってんのか!?』


『笑わせんね。なめてんのはどっちか分かってへんのはそっちやろ?』



『えぇかげんにしぃや!』

相手が襲いかかってくる中、うちは軽くかわす。


こんなんすぐにかわせる。


そんなこともわからへんのか、このアマ。


『実奈子!もぉやめぇ!』


『っな、幸太!?なんでこんなとこにおんねん!』


『実奈子がんなところで喧嘩なんかしてどうすんねん。帰るで!』


どうして、あのとき幸太は来たんや。


来ぉへんかったらよかったのに。


『ちょっと、あんた。うちらそいつに用事があんねんから置いて行ってや。』


『それは無理やな。大事な妹を護るんが俺の仕事やから。』


『幸太に護られる筋合いない!ほっといて!』

はよ、帰ってよ。


こんなとこにおったら、幸太まであかんくなる。


『何言うてんの。帰るって言うたら帰んねん。』


『えぇ兄貴面してんちゃうぞ!』


うちは幸太に最低な言葉をかけた。



このことを後悔しない日は無いねん。


『あぁ!グダグダうるさい!あんたがこのタイミングで来ぉへんかったらこいつは殺れたんやぞ!』


『グッドタイミングやん。な、実奈子。』


この兄貴は、お人好しすぎんねん。


これやから頼りがいないねん。



『グダグダ言ってんなっつってんねや!』

相手のグループの一人が、幸太に向かって襲いかかる。

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