あぁ・・・うちな
うちはもう一回ノックしてみた。
けど、やっぱり返事がない。
そっと、ドアを開けると、ベッドの上に勝利の姿はなかった。
「え?・・・キャッ」
「実奈子っ」
「しょ、勝利!?」
うちの後ろに抱きついてきたんは勝利やった。
まさか、もうこんなにピンピンしてるとは思わへんかった。
「体、大丈夫なん?」
「全然。天下の俺だぜ?」
「あ、その天下って何なん?」
「ヤンキーやってた時の名残やな。俺、強いから。」
そういえば、あいつらも言ってたっけ・・・。
うちらは病室へ入って話を始めた。
さっき勝利が勝って来てくれたジュースを飲みながら。
「ヤンキーしてるとき、俺周りから避けられるくらい強かったんやで。」
「そう、なんや。うちもまぁまぁ強い方やったけど。」
「実奈子は弱いやろ。」
「なっ、勝利にも勝てるわ!」
「俺の名前ショウリ、やし。負けるわけないわ。」
「関係ないわ!強そうやけども!」
そんな会話を長々と続けた。
笑いながら、もめながら。