あぁ・・・うちな

そのとき、うちの横を風が通り過ぎて行った。



後ろを振り向くと、そこには勝利がいてた。


「実奈子、悪かったて。」




「幸太・・・」



「はい?」




「・・・いや、なんでもない。」



きっと今のは・・・そうやろ?




「勝利」



「ん?なに?」




「こっから、スタートやね。」


「・・・そうやな。頑張ろうな。」



「うん・・・」




二人を包む風はきっと、あなたやろう。


そこから見守っててな。



あぁ・・・うちな。




幸せものやないって思ってたけど、今はメッチャ・・・



「勝利が好きすぎて、幸せやぁ〜!」



「はいぃ!?」



そこに響いたうちの声は、未来へ続く光になりますように・・・―――

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