あぁ・・・うちな

「実奈子。どないした?」


何でもない、っていうことを理解した母さんはホッとしたようで肩を撫でおろした。

「学校、もう行かな初めて遅刻するで?」


あ、そうや。


急いで制服に着替えて準備をして、食パンをくわえ家を出た。


口をモゴモゴしながら学校へ急ぐ。



今日は杉の木の下に行かんでえぇな。


学校へ着いた時間は八時過ぎ。

もう十分に先生が来てる時間。


職員室で鍵をもらおうと行ってみると、すでに鍵がなかった。


委員長が持って行ったんやろか。



教室に行くと、すでに数人のクラスメイトが登校してた。


扉の前で立ってたらクラスにいた一人がうちに気付いた。



「あ、実奈子!今日遅かったんやな。宿題でもしてたん?」


「実奈子が朝宿題してるわけないやろ。な、実奈子。」



首を縦に振って、今日は寝坊したことを伝えた。


みんなまさかうちが寝坊するて思いもせぇへんかったみたいで大爆笑。


「実奈子が、寝坊て。どないしたんよっ」


「勉強のしすぎもえぇとこやでっ」



うちも苦笑いで対応した。



うちこそ聞きたいくらいやけど。


なんであの夢を見ぃへんかったんか。



それからいつもより早く先生が来て、っていうんは違ってうちが来るのが遅かったからそう感じたみたい。


ショートホームが終わって授業の準備をする。



やっぱり、予習してないと変な感じがする。


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