あぁ・・・うちな
「おい!待ってや!」
頭を下げてその場から離れる。
それからは何もなく家路についた。
時々後ろを振り返ってみたけど、そこには誰もいてへんかった。
結局大学のことについてはなんも調べられへんまま帰って来てもうたし。
どないしよう。
これからまたあの勝利さんに会う可能性ってメッチャ高いと思う。
でも、図書館で調べて、あわよくば勉強もしたい。
さっき図書館を出るときに目に入った「過去問題」の文字が頭を行き来する。
あれはおそらく今までの大学入試の問題たちや。
やってみたい!
けど、行きたないな。
明日、また行ってみて、もし仮に勝利さんがいたとしても無視しよう。
うちは勉強せなあかんねん。
受験生の邪魔するんて、最低やしそこまでしてこぉへんやろう。
話しかけてきても、明日は絶対無視したる。
まぁ、とりあえず悪い人やないらしいし。
さっきの態度見てても、ホンマにうちが何も言わへんかったせいで怒ってただけみたいやし。
ちょっと申し訳なかったな。
明日、話すとしても一言「昨日はごめんなさい」だけやな。
うちはそっと心にそう決めて眠りについた。