あぁ・・・うちな

「秋野、最近はどうだ?」

『最近ですか?』


「ココの調子は。」


『あ、まぁ普段通りです。』


「そうか。特に不便なことはないか?」


『このノートに書くこと自体がもともと不便ですね』


「ははっ、そうだな。」



目の前で笑ってるこの先生は、うちの担任。


今年からうちの学校に来た。


大学を出て始めてきた学校がココらしいけど。



名前は、神野仁先生。

体育の先生で部活の顧問は、最近バスケから野球部に変わった。


どうしても野球部が良くてメッチャもめたらしいけど。


何とかやらせてもらえるようになったんやって。


そこまで野球部にこだわる理由がわからへんけど。

あ、ちょうどいい機会やし聞いてみるか!


『先生、質問いいですか?』


「お、なんだ。」


『どうして野球部の顧問になりたかったんですか?バスケは嫌いですか?』



「そんなこといいだろ。今は進路の時間だ。」


『けち』


「けち、ってな。やりたかったからやりたかったんだよ。」


『それだけ?』


もう書くのに疲れてきた。

正直に言うてくれたら済むのに。



「あぁ。まぁ、強いて言うなら高校時代にちょっと悔しい思い出があってってことか。」


『気になる~』


「はい、次は岡田。呼んできて。」


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