あぁ・・・うちな

その次の日も、そのまた次の日もうちは図書館へ行った。


理由は、もちろん勉強するためでもあるけど、気になってもうて。



勝利は毎日図書館に通ってるんやろうかって。



別にどうでもえぇことやねんけど、そんなに勉強してる風には見えへんのやもん。


それやのに、うちが行ったときには絶対いてるし、ましてやそれが偶然やとは思えへんし。



で、図書館に通い始めて一週間。


勝利は、土日も含めて七日間全部図書館にいてた。



そんなに勉強好きなんやろか、っていうくらい毎回勉強してるんやし。



何について勉強してるんやろ、って毎回思うけどそれは聞かれへん。


約束やから。



もう、話さへんって。



でも、そんなある日―――




いつものようにまた図書館に行ったとき。


図書館の席が一個も空いてへんかった。



まぁ、それやったらしゃぁないし今日は帰ろう。


うちは図書館をでようとした。


でも、後ろから声をかけられて振り向いた。


「ここ、使うか?」


そこにいたのは、勝利。


勝利の隣の席を見ると、そこには勝利の荷物が置いてあった。



「これ、どけるから。勉強していき。」


自分の荷物を床に降ろして、自分の椅子に座る。


勝利の隣の席が空いた。


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